お金と時間について

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スルガ銀行第三者委員会報告書について

遅ればせながら、スルガ銀行の第三者委員会報告書
https://www.surugabank.co.jp/surugabank/kojin/topics/pdf/20180907_3.pdf
を読みました。
あわせて、中村弁護士の記事(https://business.bengo4.com/articles/486
も分かりやすいです。

 

この報告書が公表された時、報告書の長さとそこに記載された「詰め」の激しさが話題になりました。
中村弁護士が上記の記事で語っているように、当該報告書は色々な視点を盛り込もうとしたもののようです。このくらいの長さにはなりますよねという感じです。
また、引用されている「詰め」も社会を知らない猿からすれば相当びっくりなのですが、脚注で引用されているインタビューも味があって楽しめました。

 

この報告書には組織がダメになる様子があらわれています。
コンプライアンスの形式は整っているけれども内実は腐っており、全員がダメだと分かっているのにダメな方へ進むという哀しさがありました。
問題となったシェアハウス融資ってどう考えてもスルガ銀行の利益にはならないですからね。

 

読んでいてスルガ銀行の構図は旧日本軍的だなと思いました。
スルガ銀行創業家が威光を持っており、創業家のいる取締役会は現場と情報が断絶しているんですよね。そして現場では達成困難な高い目標が設定され、それを達成するため、根性論で詰めるわけです。
天皇のもとで無謀な戦争を精神論で乗り切ろうとした旧日本軍とダブります。

 

もっとも、報告書でも触れられていますが、根本的には出口のない状態で数字だけ出すことを要求するビジネスモデルの無理さがあるわけです。
その点、スマートデイズ側は巧妙でそういうスルガ銀行の実情を織り込み済みです。
このニュースを見ていたとき、なんでシェアハウスなのかな?と思っていたのですが、新しいビジネスモデルで実態がしれないこと(投資家をひっぱりやすいこと)や居住実態がつかみにくいということが報告書にあらわれていて膝を打ちました。上手く出来ている。

 

社会に放り込まれた猿としては、コンプライアンスについても勉強になりますが、投資家目線でも勉強になりますね。
スマートデイズの宣伝を見てみると、シェアハウスの住人に対する職業斡旋でキックバックがあるので元本保証などと言われていますが、物件の利回り的にも無理はありそうな気がするわけです。しかし、少し余剰資金があって今後のためにもお金が欲しいというターゲット像はまんま社会猿にもあてはまるわけで、身につまされます。


世の中には魑魅魍魎がいる、自分の足で立たないといけない(しかし、それすら許されない環境だってある)、社会は恐ろしいところです。