お金と時間について

お金と時間について考えるブログです。インデックス投資を軸としています。Twitterアカウントは@shakaisaru

猫組長『アンダー・プロトコル』

読みました。

私は猫組長というのがどういう人なのか知らないし、どこまでが本当の話か分かる訳でもありませんが、筆者のものの見方があり、面白く読めました。

 

まず、株について上がる見込みが高くなくては投資ではないという考え、そのためにインサイダーギリギリの情報を掴み、会社とコネを持って暴力で担保する、というのはなるほどと思うところがありました。

不動産等はまだしも、株式市場も公平さや効率には歪みのある部分があるのだと無意識に見落としていた部分に気付かされました。

 

また、資金決済について、規制の経緯に触れて語られる部分は面白く、アンダーグラウンドの世界についての知識は非常にためになりました。さらに「プロトコル」の理解を商売道具とするということがどういうことか分かりました。

 

筆者は金や投資についての考えを職はもちろん人生観にも反映させています。

私ももちろん賃金を得るために社会に出ているのですが、人的資本を投下しているにも関わらず、投資と職業の関係についての意識は希薄だなということを感じました。

裏社会モノとしても、投資に関する本としても面白かったです。

橘玲『臆病者のための億万長者入門』、山崎元・岩城みずほ『「お金」の考え方このままでいいのか心配です』

大分久しぶりの更新になりました。

最近更新されていなかったのは、お金に関する動きがなかったからです。

 

GW前のKindleセールを利用して買っていた本のうち2冊を消化しました。

 

1冊目は橘玲著『臆病者のための億万長者入門』です。高齢者層(やその手前にいる層)に対して、保守的な運用をするための情報を提供しています。

おっと思った記述としては、

 

●インデックスファンドについて、下がっている時に買い、株価が戻ることで儲けるものだという指摘(暴落を待って、株価が回復するまでドルコスト平均法分散投資をすることを勧めている)

 

●楽観・悲観・破滅シナリオにおいて、最初は普通預金をおすすめしている点

 

市場は複雑系なので予測は出来ないものの、複利を強調してすぐに投資を勧める言説もありますが、資金を持っておくことが重要であると思いました。私の場合はNISA口座での投資をしているのですが、暴落リスクを負わないような投資法ではないということは意識しようと思います。

 

2冊目は山崎元・岩城みずほ著『「お金」の考え方このままでいいのか心配です』

対談形式で柔らかく家計について話す本。

気になった記述としては

 

●山崎氏はドル・コスト平均法を否定していること

 

もっとも、これは「ドルコスト平均法なら安心」というような言説を否定するものです。株価が落ちている時に資金を投入して買う方が資金を増やすには効率が良い局面があるというのはその通りですね。

 

●働くことを否定できない=運用に頼れない・貯蓄の必要性についての指摘

 

これも分かってはいるのですが、がっかりする話ですね…

社会で苦しむ猿としては早くリタイアしたいのですが、楽を求める気持ちが失敗のもとなのでしょう。

 

●キャリアについて、

28歳までに業種・分野を決め
35歳までに他人に説明できる実績を残す
45歳にその後の人生の過ごし方を決める

という指針

 

私は社会に出るのが遅いため、年の割に経験が浅いのですが、まずは35までに実績を残さないといけないようです。

しかし、市場価値をあげるというのは厳しい面もありますね。メジャーな分野にいると転職はしやすいと思われますが、専門性をつけるためにはニッチをとりたいという気持ちがあります。

 

●女性は、相手選びにおいて、食事まで1/5、キスまで1/10、さらになんらかのストーリーがあるときに発展があるという指摘

 

本当にそうか?という気もしますが、議論のテーマとしても面白い指摘です。

結婚相手が人生にとって重要というのはその通りであって、かつ、どのような人が良いかという条件の絞り込みが難しいこともあって、この点は考えると憂鬱になりますね。

 

これらの本は目新しいことが沢山述べられている本というわけではありませんでしたが、読みやすく、記述に沿って自分の考えを整理するのに有用でした。

ひとまず、社会に戻ってお金を得て、資金を得ることが必要であることを確認し、GW開けに備えようと思います。

ユニオンバンクにTransfer wiseで入金するのにかかる時間について

ユニオンバンクで口座を作ったら、お金を入れる必要があります。

 

Transfer wiseを使えば、銀行等を使うより手数料は低く済みます。

私はユニオンバンクトランスファーワイズのどちらも口座開設をしていたので、余裕で「いつ円高来るかな〜」と待っていたのですが、なかなか来ないものですね。

ユニオンバンクは口座開設から60日以内に入金がないと口座が解約されてしまいます。

のんびりしていて期限ギリギリになってしまったので、この記事では入金までにどのくらい時間がかかるのかというタイムスケジュールについて書こうと思います。

 

ユニオンバンクのオンラインバンキングの開始(0日)

ネットですぐ出来ます。

https://www.unionbank.com/personal-banking/online-banking/olb/index.jsp

 

パスワードは大文字・小文字・数字の組み合わせ。

質問はリストの中から好きなものを3つ選んで選択するシステムです。

最近はなんでもかんでもパスワードなので困りますよね。生体認証がもっと発達して欲しいです。質問はダルいと思ったのですが、覚えやすい質問であれば思ったよりは手間ではありません。

 

また、この時に明細書のオンライン受け取りの設定をすると良いです。

ログオンしてstatementタブのdelivery methodをonlineにするだけです。

 

トランスファーワイズでの初回送金(3〜4日)

方法は

https://www.avocado-fes-thought.com/transferwise_openaccount.html

が詳しいです。

「資本主義社会で生き残るために」さんにはいつもお世話になっております。

上記ブログでおすすめされているように私も最初は少額送金をすることをお勧めします。

初回送金では身分証明書の撮影が求められます。

私はマイナンバーカードの両面を撮影しました。

なお、トランスファーワイズにカメラが許可されていなかったのかカメラを押しても画面は真っ黒だったので、写真をカメラアプリでとってアップロードしました。

ユニオンバンクのルーティング番号は122000496です(2019年3月現在)。

https://www.unionbank.com/personal-banking/checking-savings/checking/find-routing-number.jsp

トランスファーワイズへの入金はネットバンキングですぐに行いました。

送金手続きは1日で行われたのですが、着金に3日くらいかかりました。意外とやきもきします。

 

③ミス(3日)

恥ずかしい話ですが、ここでミスをしています。

口座番号の入力に際して、日本の銀行の感覚でATMカードの番号を入力していたのですが、これは間違いでした。口座番号は口座明細が書かれた紙に書いてある10桁の番号です。

口座番号を間違えると、トランスファーワイズから「お客様のご資金が弊社に組み戻されました」というメールが来ます。

そのメールの「送金手続きを修正する」というボタンから正しい入金先を入れましょう。

 

アクティベーションコードの入手(3日)

送金手続きから3日後にアクティベーションコードが届きました。なお、送金手続きの完了(口座への着金)からではなく、送金手続きからの起算です。

アクティベーションコードを入力することで、2回目の送金から為替レート保証が使えるようになります。

 

⑤本入金(3〜4日)

④までで口座解約は免れましたが、口座維持手数料を免れるにはChecking accountに1500$、Saving accountに300$預ける必要があります。

これにも3〜4日はかかります。

 

恥ずかしながら、ミスがあったため、私はより長く期間がかかってしまっているわけですが、そうでなくても一瞬で送金できると思っていると意外と時間がかかるので、ユニオンバンクへの送金は期限ギリギリにならないようにすることがおすすめです。

資金決済法改正の閣議決定

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42437970U9A310C1EA1000/

 

仮想通貨・暗号資産の規制強化が閣議決定したそうです。

 

私は仮想通貨の価値って今はまだよく分からないところがあるなぁと思っています。「仮想通貨の価値はマネーロンダリングの手段になりうることしかない」という意見も、一理あるような気がしています。

ブロックチェーンという技術の価値、決済手段として優れている点などが本当に価値を持つのかは規制が敷かれ透明性が担保された状態になって初めて分かると言えると思います。

ちまちま買っていて、まだ5000円くらいしか入れてないのですが、もう少し買いたいですね。

 

Softbank Vision Fundのビジネスモデルについて

Softbank Vision Fund(SVF)はソフトバンクグループと石油王らが作った投資ファンドです。

 

投資先は多岐にわたりますが、どの企業もちょっと未来を先取りしてる「イケてる」感があります。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BD%E3%83%95%E3%83%88%E3%83%90%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%83%89

 

そのSVFが説明資料として以下の資料を公表しています。

https://group.softbank/corp/set/data/irinfo/presentations/analyst/pdf/2017/investor_20180209_02.pdf

 

この資料、分かりやすくて面白い!

 

特に収益性について

①安く買って高く売る

②投資期間を短くする

③借入を用いる

と纏めているのはシンプルで良い。

 

個人投資家にとっても収益性に関しては同じことが言えますが、言うは易し行うは難しですね。もっとも、こういう資料を見ると頭も整理されるのではないでしょうか。

 

会計についても、図を多用して見やすくしてくれているので、勉強になります。

 

一読の価値ありです!

出国時のNISAについて

ふるさと納税について平成31年税制改正大綱をみていたら出国時のNISAについての記述がありました。

https://jimin.jp-east-2.storage.api.nifcloud.com/pdf/news/policy/138664_1.pdf?_ga=2.182184416.698330089.1544873059-1544417368.1544873059


「1 非課税口座を開設している居住者等が一時的な出国により居住者等に該当しないこととなる場合の特例措置を次のとおり講ずる。
イ 当該居住者等がその出国の日の前日までに当該非課税口座が開設されている金融商品取引業者等の営業所の長に、その者に係る給与等の支払をする者からの転任の命令その他これに準ずるやむを得ない事由に基因して出国をする旨、引き続き非課税措置の適用を受けようとする旨、帰国をした後再び当該非課税口座において非課税上場株式等管理契約又は非課税累積投資契約に基づく上場株式等の受入れを行う旨その他の事項を記載した届出書(以下「継続適用届出書」という。)の提出をしたときは、その出国 の時から、その者が当該金融商品取引業者等の営業所の長に、帰国をした年月日、当該非課税口座において再び非課税上場株式等管理契約又は非課税累積投資契約に基づく上場株式等の受入れを行わせようとする旨その他の事項を記載した届出書(以下「帰国届出書」という。)の提出をする日と当該継続適用届出書の提出をした日から起算して5年を経過する日の属する年の 12 月 31 日とのいずれか早い日までの間は、その者を居住者等に該当する者とみなして、本措置を引き続き適用する。この場合において、当該帰国届出書の提出をする日までは、当該非課税口座に設けられた非課税管理勘定又は累積投資勘定に上場株式等を受け入れることができないこととする。
ロ 継続適用届出書の提出をした者が当該提出をした日から起算して5年を経過する日の属する年の12月31日までに当該金融商品取引業者等の営業 所の長に帰国届出書の提出をしなかった場合には、同日においてその者が当該金融商品取引業者等の営業所の長に非課税口座廃止届出書を提出したものとみなす。
ハ その出国につき、国外転出をする場合の譲渡所得等の特例の対象となる者は、継続適用届出書の提出をすることができないこととする。」

 

国外投資を進める人の理由の一つとして、国外への転勤などがある場合、1年を超えて出国していると居住者に該当しなくなるため、NISAが続けられないリスクがあることが指摘されることがありました。(もちろん、国外投資の方がメリットがあるかは投資をする国の税制にもよるのですが)

その点が改善されるようですね。

 

しかし気になるのは「その者に係る給与等の支払をする者からの転任の命令その他これに準ずるやむを得ない事由」という要件です。

社会人が国外に行く理由としては転勤以外にも留学なども考えられますが、それは「これに準ずるやむを得ない事由」と言えるのでしょうか?

個人的にはNISAは国民に投資をすすめる措置なのだから柔軟にしてくれと思います。

税金をとることについては国は必死だなと思いますが、その一方で軽減税率みたいな意味不明な制度が導入されたりするのが"政治"ですね。

税制って難しいです。

井上聡『信託の仕組み』

メインの投資対象が投資信託にもかかわらず、信託のことをあまり知らないなと思って、井上聡『信託の仕組み』を読みました。

 

とても読みやすいのに、重要部分がシンプルに指摘され、ピンポイントな実例があげられており、敬服しました。

「企業は生き物」とし、「生き物に対する与信行為は、貸出先が大きく育つ楽しみの裏返しとして、さまざまなリスクを引き受けることにほかなりません」「ストラクチャード・ファイナンスは…モノに対する与信行為を実現するもの」という例え…すごくないですか?

分かりやすい言葉で重要なことを言うって、滅茶苦茶頭良いですよね…(語彙力)

 

信託は古くから発展してきた分野ですが、なんとなく不思議に思うのは、法的な仕組みってどこまで認めて良いのか?ということです。

信託は委任を媒介とした制度だと理解しているのですが、この制度によって、とても賢く倒産隔離が果たされています。

また、信託の活用方法が広がっており、エンティティとしての利用がされていることもこの本で示されています。

しかし、そもそも、その様な制度を是認するか否かということは論理的に決まるものなのでしょうか?だとすれば、制度として認められるか否かの「境界」はあるのでしょうか。

バランス感覚というものはあり、例えば受益者の監視が必要とされる場面なども触れられていましたが、どうもその辺の感覚を猿は掴み損ねているようです。

社会に放り出された猿こと私が立法に携わることはまずないので、そもそもそんなこと考える必要はないのかもしれませんが、勉強が足りないなと思った次第です。もっとも、慣れてしまうと消える感覚だと思うので、ここに書き留めておくことにしました。

 

全然資産運用の役には立たないのですが、こうして社会への理解を深めていきたいなと思います。