お金と時間について

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井上聡『信託の仕組み』

メインの投資対象が投資信託にもかかわらず、信託のことをあまり知らないなと思って、井上聡『信託の仕組み』を読みました。

 

とても読みやすいのに、重要部分がシンプルに指摘され、ピンポイントな実例があげられており、敬服しました。

「企業は生き物」とし、「生き物に対する与信行為は、貸出先が大きく育つ楽しみの裏返しとして、さまざまなリスクを引き受けることにほかなりません」「ストラクチャード・ファイナンスは…モノに対する与信行為を実現するもの」という例え…すごくないですか?

分かりやすい言葉で重要なことを言うって、滅茶苦茶頭良いですよね…(語彙力)

 

信託は古くから発展してきた分野ですが、なんとなく不思議に思うのは、法的な仕組みってどこまで認めて良いのか?ということです。

信託は委任を媒介とした制度だと理解しているのですが、この制度によって、とても賢く倒産隔離が果たされています。

また、信託の活用方法が広がっており、エンティティとしての利用がされていることもこの本で示されています。

しかし、そもそも、その様な制度を是認するか否かということは論理的に決まるものなのでしょうか?だとすれば、制度として認められるか否かの「境界」はあるのでしょうか。

バランス感覚というものはあり、例えば受益者の監視が必要とされる場面なども触れられていましたが、どうもその辺の感覚を猿は掴み損ねているようです。

社会に放り出された猿こと私が立法に携わることはまずないので、そもそもそんなこと考える必要はないのかもしれませんが、勉強が足りないなと思った次第です。もっとも、慣れてしまうと消える感覚だと思うので、ここに書き留めておくことにしました。

 

全然資産運用の役には立たないのですが、こうして社会への理解を深めていきたいなと思います。