仮想通貨の私法上の位置付けに関する論点整理
「仮想通貨の私法上の位置付けに関する論点整理」を読みました。
http://www.flb.gr.jp/jdoc/publication55-j.pdf
その名の通り論点整理という感じで、議論状況を整理するものでした。
総論的には、やはり無体物をどう財と構成するかというのは難しいのだなと思いました。
しかし、昨今、財が多様化しています。法もその形を変える必要がある部分があるように思われます。
ただし、伝統的な法学の所有権および占有権はかなりの積み重ねのある分野であり、またその議論状況は平易とは言えません。だからこそ、有体物の所有権・占有権をアップデートするのは難しいのだと考えられます。
各論的には、総論がどのような結論であっても、仮想通貨に関する権利を各々の場面で認めるべきとしており、実用的な考え方として有用だなと思いました。
このように、仮想通貨については一応資金決済法で定めがあるものの、その法的構成は未だ途上であり、そういう不可思議なものがあるという状態はすごく面白いですよね。
まだ3000円くらいしか買っていないのですが、興味を持つようになったことだけでも、そのくらいの価値はあるなと考えているところです。
