『金持ち父さん貧乏父さん』について
実は少し前に読んだ本なのですが、ブログの更新を忘れないためにも書評を書いておこうかなと思います。
あまりにも有名な自己啓発本です。
この本の最大の功績は、消費と投資の違いについて明言したことではないかなと思います。
特にBSを用いて金持ちの金回りを示したのはビジュアル的にも分かりやすくて興奮しました。
あと、物語としても、少年がお金に興味を持ってお金を稼ぐ方法を考えるっていうのはなんかノスタルジィで良いですよね。
小学生の頃、ズッコケ3人組で釣りしている人にジュースを売って金を儲ける話があり、天才かと思いました。それに触発されて、親が近所で商店をしている子にみんなでバイトしたいと申し出て断られたので現実はそんなに甘くありませんが。
この本の悪いところとしては勤勉を是としないところでしょうか。
金持ち父さんを持ち上げて、貧乏父さんを下げるという本なので、そうなっているのかもしれませんが、富裕層に届かない層は労働を切り売りして金を得るという期間が長いはずで、その労働によってはそこに幸福があるとも言えるはずなので、それを「ラットレース」と称することは、サラリー稼業を辛いと思っている人には刺さるけど、無責任な言葉のようにも思えますね。「脱社畜」と同じような響きを感じます。
あと、マルチを肯定していたのは、法という仕組みの抜け穴を探せということなのかもしれませんが、どうかなという気がします。
特商法の連鎖販売取引は一応「良いマルチ」があるということで全てのマルチをダメだとはしていない訳ですが、商法の竹内教授は「良いペストが存在しないように良いマルチも存在しない」としています。実際一番儲かるのは胴元で、販売者は勧誘のリスクを負うため犠牲にするものは大きいだろうと思います。
全体としては簡単に読めるし、有名だから、読んでおいて良いかなという本です。ただし、この本を異常に持ち上げている人には注意すべき、なぜならこの本を読むことが当人の知性の限界である可能性があるから、というところです。